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ホール効果と主な影響する要因

磁気式は、非磁性金属またはプラスチック上のニッケル皮膜のような磁性皮膜を測定するのに用いられます。また、磁性金属上の非磁性皮膜の測定にも使われます。特に、クロムや亜鉛のような厚い電気メッキされた皮膜には、電磁式よりも磁気式が適しています。

 

ホール効果センサーでの測定

磁気測定(ホール効果)は、エドウィン・ホールにより発明されました。通電導体が永久的磁場の中に置かれると、この効果が起こります。

 

電子がコンダクターを通じて移動し、静磁界を通しても動きます。このように、彼らはローレンツ力の影響を受けます。そして、磁場に対して垂直に働き電子をコンダクターの端の方に押し進めます。電荷分離が起こります。キャパシター同様に、これは電圧(ホール電圧)を発生させます。

この方式による膜厚の測定

磁気材料(例えばニッケル皮膜)は静磁界を増強します。そして、それはホール電圧を増やします。この電圧が測定されプローブの特性曲線を使用して、測定装置に膜厚測定の値に変換します:測定信号と皮膜の厚みに相関関係があります。

 

測定の際に注意する点

測定器に保存された検量線カーブと測定信号との比較を利用することになりますので、測定条件や環境が検量線カーブに反映されている必要があります。キャリブレーションを実行することで、反映させることができます。

 

キャリブレーションによって、すべての差が生じます

素地材料の透磁率、サンプルの形状と表面の粗さは、測定値に大きく影響を及ぼす要因となります。また、オペレーターのプローブの当て方など操作の仕方も結果に影響します。

 

透磁率

透磁率は物質がどれぐらい磁界を許容するかの目安となります。この考え方を元にすると、鉄やニッケルといった透磁率が高い物質は磁界強度を高めると言えます。

 

透磁率は物質によって、また合金比率によって異なるので、測定対象の母材が変われば、再度キャリブレーションが必要になります。 

曲率のある場合

測定対象物の形状は測定に影響を与えます。曲率がある場合、磁界が測定対象物の中を通る比率と空気中を通る比率が、曲率の無いものに比べて変わります。例えば、曲率の無い平らな形状でキャリブレーションを行った後、凹面を測定すると膜厚は薄めに算出されます。凸面であれば厚めに算出されます。

 

測定面積

測定対象面積が小さい、または測定対象物そのものが薄い場合も、同様の影響を受けます。これらの影響を受けないために、必ず塗膜のない母材、しかも測定対象物と同じ形状のものを利用してキャリブレーションを行うことが重要です。

 

表面粗さ

表面粗さについては、例えば粗さの山のピークにプローブを接するのか谷に接するのかで、結果が異なってくるといったように影響を及ぼします。このような状況を考慮するための1つの方法は、繰り返し測定を行い平均値を採用することです。表面粗さのある測定物を測定する場合、測定したい皮膜の厚さが、粗さの最大と最小の差の2倍以上になるような関係が望ましいです。

 

ユーザーによる影響

プローブを測定対象物に当てる際には、垂直、かつ極力低荷重であることが理想的ですが、手動で測定する際には必ずしもそれらが一定になるとは限りません。それらを実現するために、Fischerではプローブを操作するスタンドの提供も行っています。

 

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