Jump to the content of the page

測定方式と測定評価

スクラッチ方式は、材料試験において確立された一つの方式です。研究所に設置されたりしており、皮膜の強度試験において日常的に使用される試験機です。ASTM C1624とISO 20502ならびにDIN EN 1071-3の規格に従って、スクラッチ試験は皮膜の接着性と密着性強度の試験のために使われます。

 

スクラッチ試験について

丸い先端のダイヤモンド圧子(ロックウェル)は、試料表面に押込みます。圧子は、一定速度で下方へ移動し、圧子によってスクラッチ傷を残します。

 

圧子を試験表面に一定の荷重あるいは荷重増加させながら試験をします。一定荷重での試験は、材料のスクラッチ強度試験に使われます。一般的には荷重増加(Progressive mode)モードが使われます。ここでは、圧子の荷重は段階的あるいは連続的に増加します。

非常に低い荷重で、皮膜は圧子に抵抗します。しかし、荷重を増加させると、材料にストレスがかかり、ある特定のポイントで皮膜が剥離します;臨界荷重(LC)。剥離パターン(クラック)は、皮膜の特性になります。

測定評価について

最初の評価は、視覚的に行います。高解像度顕微鏡で、オペレーターはどのように最初にクラックが入ったか、皮膜がどこから欠け始めたかを確認できます。よく見られる剥離パターンは、魚の骨のようなクラックや月形のようなクラック、広域に切り込むパターンです。

 

ST 30およびST 200では、摩擦力やアコースティックエミッションなどのようなパラメーターも評価できます。

摩擦力FTは、材料が圧子に対してかける抵抗です。この値が、摩擦係数を計算するために出される垂直荷重FNと共に使われます。

アコースティックエミッションでは剥離や破壊を検知します。フィッシャーのスクラッチテスターでは、荷重カーブとともにこれを評価することができます。

注意する要素について:圧子の摩耗と劣化

スクラッチテスターでは、圧子の消耗が考えられます。また、DLCのような硬質皮膜では圧子の消耗がはやいため、定期的に顕微鏡で圧子の状態を確認しなければなりません。

 

Jump to the top of the page