
野心をもって起業
ヘルムート・フィッシャーグループは、およそ70年にもおよぶ長い歴史を持つ企業です。そして、それは1953年にシュツットガルトで始まりました。
ヘルムート・フィッシャー氏が22歳のとき、彼の指導者であり元物理学教師と共に、「Schuhmann and Fischer Electrical Devices」の会社を設立しました。戦後において出始めた産業の需要に合わせて、塗装とクロム層を測定できる機器を開発しました:Permascope。フィッシャーの最初の顧客は、ボッシュとダイムラーでした。
しかし、戦後のドイツで多くの材料は入手困難でした。時には、あり合わせのもので作らなければなりませんでした。そこで、ヘルムート・フィッシャーは、厚さ5µm以下の皮膜を測ることができるセンサーを開発しました。この秀でた才能が1954年に報われ、その1年後には、40,000DMもの取引予約を得ました。
ライフワーク
ヘルムート・フィッシャーにとって、測定機器を何十年にも渡り作り続けること、企業自体の未来に向けた持続は重要と考え、50年にも渡る経営から身を引き、会社の所有権を財団へ譲渡しました。2003年以降、ヘルムート・フィッシャー財団は、会社の継続を確実にし、次世代の若いアーティストや科学者を支援しています。
ジンデルフィンゲンのヘッドクォーターにあるミュージアムには、われわれはヘルムート・フィッシャーの生涯の業績に敬意を表して、訪問客を招待して、企業の歴史と測定技術について伝えられるようにしました。
創業者Helmut Fischerの90歳の誕生日を迎え、お客様およびパートナーの皆様に向けてメッセージをお送りします。
90歳の誕生日を迎えるにあたり、この機会にHelmut Fischer GmbHを設立し経営してきた素晴らしい年月を振り返るとともに、喜びと自信に溢れる将来の展望をご報告したいと思います。
Helmut Fischer GmbHは、1953年に私の故郷であるドイツのシュトゥットガルトに設立しました。22歳の若さで、私は自分の人生をこの会社と優秀な従業員と共に、目標に向かって専念して取り組んでまいりました。その目標は今も変わらず、「お客様に付加価値を与え、お客様が可能な限り最善の方法で仕事を遂行できるような測定器を開発する」ことです。このビジョンは、お客様の技術的進歩をサポートする新しい測定方法や測定器の開発を成功させるための指針となっています。
フィッシャーは、市場で目立つようなブランドではありません。しかし、これはシュヴァーベンの実直な文化によるものというわけではなく、「言葉よりも行動」という信念に基づいています。私たちのお客様は、フィッシャーは品質と性能を満たすブランドとして認識され、信頼を得ております。一流のサービスを提供することで、当社はこれまでも、そしてこれからも、非破壊式膜厚測定器の分野で市場をリードしていきます。
高品質な測定機器の開発と製造は、計測機器メーカーとして成功するための必須条件です。この価値をお客様に提供するためには、お客様と密接な関係が不可欠です。そのため、フィッシャーは、重要なすべての製造業に対してサービスを提供するため、グローバルに子会社を持ち連携したネットワークを構築しています。「Think global - Act local」をモットーに、初回のお問い合わせ段階からアフターサービスまで、現地で最高のサポートを提供しています。
新しいテクノロジーやグローバルな出来事は、あらゆる企業に課題を与えます。これらの動向を早期に捉え、適切な対策を講じるための方向性を定めることが不可欠です。
だからこそ、長年技術的かつグローバルな経験を豊富に持つマネージング・ディレクターDr. Martin Leibfritzが自信を持ってHelmut Fischer GmbHを経営し、多くの優秀な従業員と共に会社が成長し続けることを、私はさらに嬉しく思い、心強く感じています。私たちは、お客様にとって測定がより身近で容易になるよう引き続き取り組んでまいります。
未来に向けて
長寿命な測定器、直感的な操作性、優れたサービスなどの評価により、今日のヘルムート・フィッシャーグループは成り立っています。現在21の子会社を持ち、世界中で、われわれはお客様をサポートしています。
進化しているX線光学系は、ベルリンで生産しています。これらポリキャピラリーレンズは、蛍光X線式測定器に使われており、20µmサイズのスポットを測定することができます。フィッシャーは、この高品質な光学系の生産において、世界中で2つしかない生産者のうちの1つです。
一方、ベルリンとジンデルフィンゲンのチームで、さらにもう一つの新技術に取り組んでいます。テラヘルツ放射線を用いた非接触の多層膜測定器です。われわれは、この測定技術の開発で、さらに技術力の前進をもたらすことを楽しみにしています。